入試用語辞典「これだけは押さえておきたい!」

ここでは、入試に関わるさまざまな言葉の意味を解説しよう。学校のカテゴリ(国公私立区分)や学校区分によって入試形態は大きく変わる。それらの違いを十分理解した上で、自分に合った受験スタイルを選択することは、志望校合格への近道にもなる。
今回は、「入試システム」「入試用語」の2つの切り口から言葉を選び、解説を加えている。

入試システム解説

国公立大学

国公立大学の一般入試では、センター試験と個別試験を組み合わせて合否の判定が行われる。センター試験の成績によって一定人数を絞り込み、合格者のみに個別試験を課す大学(二段階選抜)と、全員に個別試験を課した上で、センター試験の成績と合わせて総合判定をする大学がある。
個別試験の日程はほぼ全大学共通だが、「分離分割方式」という方式で行われている。これは、同じ大学・学部の試験を前期日程(2月下旬)と後期日程(3月中旬)に分けて行うというもの。これによって、2大学・学部の併願や、前期で不合格になった大学への再チャレンジが可能になっている(一部の公立大学では中期日程が設けられているため、最大3大学・学部の併願が可能)。
全般的には前期日程に定員を多く配分するケースが多い。前期日程、後期日程いずれかのみで募集する大学・学部もある。前期、後期で試験科目が異なることも多いので注意しよう。2006年度以降は、後期日程を廃止して前期日程に一本化する大学が増えてきている。

私立大学

私立大学の一般入試は、2月から3月にかけて、各大学独自の方法で行われる。一部の大学を除き、センター試験の受験は必要ない。出願期間、試験日、合格発表日などは大学によって異なるので、志望校の入試日程をよく調べ、受験スケジュールをたてる必要がある。
入試の方法は、3教科がメインで、2教科の大学もある。いずれの場合も英語は必須のことが多い。その他、ベスト2入試(3科目受験して得点の高い2科目のみで判定する)、得意科目重点配点型(事前に申告した得意科目の配点を高くする)などの方式をとる大学もある。また、さまざまな方式を設け、その中から選んで受験できるようにしているケースもある(アラカルト入試、複線入試)。
入試日程についても、前期と後期の期別募集をしたり、受験日自由選択制(複数の試験日を用意して都合のいい日を選ぶことができる)を採用したり、と各大学で工夫をこらしている。キャンパスの所在地以外の場所で試験を行う「地方試験」を実施する大学もある。

センター試験

正式名称は「大学入試センター試験」。独立行政法人大学入試センターが全国一斉に実施する試験で、各大学はその成績を合否判定に用いることができる。国公立大学は全大学が利用し、一般入試では必ず受験しなければならない。
私立大学は定員の一部で「センター試験利用入試」として実施するケースがほとんど。2008年度は467大学が利用する予定で、これは全私立大学(2008年度新設除く)の約8割にあたる。なお、2004年度から短期大学でも利用ができるようになり、2008年度は17の公立短大と139の私立短大が利用する。
実施されるのは国語、地理歴史、公民、理科、数学、外国語の6教科28科目で、受験生は必要な科目を選んで受験することができる。2006年度から、外国語の「英語」で、リスニングテストが実施された。これは、受験生一人ひとりにICプレーヤーが配布され、各自で操作しながら問題を解く形式で行われる。
どの教科、科目を利用するかは、各大学の判断に任されている。国公立大学の場合、5教科7科目以上を課すところが近年増える傾向にある。私立大学は2〜3教科が一般的だ。志望校の指定科目をよく調べて受験するようにしよう。
2008年度のセンター試験は1月19・20日の2日間に実施(出願期間は2007年10月1日〜10月12日)。試験の翌日に問題と解答が発表されるので、受験生は各自で自己採点し、その結果をもとに出願する大学を決めることができる。

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推薦・AO入試

推薦入試には、指定校制推薦、公募制推薦、自己推薦などの種類がある。指定校制推薦は、大学が指定した高校が生徒を選び、大学に推薦するというもの。推薦された生徒は、ほぼ無試験で入学できる。公募制推薦は、大学が定めた出願基準(評定平均値など)を満たし、高校長の推薦が得られれば、誰でも出願することができる。選考においては、基礎学力試験や面接、小論文などが行われる。自己推薦は、高校長の推薦状を必要とせず、受験生のアピールポイント(スポーツ、ボランティア活動、生徒会活動など)などをもとに選考が行われる。
AO入試は、アメリカの大学入学システムをアレンジした、受験生の総合的な能力や意欲を測る入試方式。大きく分けて「選抜型」と「対話型」がある。「選抜型」は、自己アピール書やエッセー(小論文)などを含む書類を提出し、それをもとに第一次選考を行う。その合格者に対して面接や小論文などを課し、選抜を行う。「対話型」は、まず簡単なエントリーシートを提出し、それをもとに、大学の担当者と数回の面談を繰り返す。受験生がその大学にふさわしいと判断されれば「内定」となり、正式に出願し、確認の面接を行った上で合格となる。その他に、実際の講義を聞かせ、その理解力を測ったり、ディスカッションを行ったり、とさまざまなバリエーションがある。
入試の日程は、11月から12月にかけて行われることが多い。「対話型」のAO入試は、早い時期からエントリーを受け付けるので注意が必要だ。

●評定平均値
高校での5段階評価での成績を合計して、評価の回数で割ったもの。推薦入試の出願基準や評価対象となるのは、たいていの場合「全体の評定平均値」。これは、全教科の成績の合計を教科数×評価の回数で割って出した平均値。「全体の評定平均値3.0以上」というように使われる。
●エントリーシート
AO入試などで使われる。自分のアピールポイントや履歴などを記入して、出願前に提出し、面接等の質問の材料として使われる。出願書類とは異なり、エントリーシートそのものが選考の対象となることは少ないが、面接などの評価の一部として重要なので、手を抜かないようにしたい。
●基礎学力試験
推薦入試では、一般入試のように科目、出題範囲などが明示されず、「基礎学力試験」のような名称でペーパーテストが実施されることがある。中身は、主要教科の基礎知識を問うもの。中には、さまざまな教科の知識を総合して解く問題が出題されることもある。
●適性検査
学科試験ではなく、特別の方法を用いてその学部・学科への適性をはかる試験が行われることがある。多くの場合、簡単な設問に答えていくペーパーテストの形式がとられる。
●実技試験
芸術系、生活科学系、体育系などの学部・学科では、実技試験が大きなウエートを占めることがある。また、スポーツ推薦などでは、過去の大会実績などのほかに、選考の場で実技を披露するケースもある。
●併願
推薦入試は、本来、高校がその生徒をふさわしい大学に推薦する、という制度なので、原則として併願は不可で、合格した場合に入学辞退ができない。しかし、最近では「併願可」として、複数の大学の推薦入試に合格した場合にも入学辞退を認める大学も多くなっている。ただし、むやみに入学辞退したり、合格後にさらに一般入試を受験するのは、出身高校に迷惑をかけることになるので避けたい。

専門学校

専門学校の入学者選考は、学校によってかなり異なる。まったく無試験で、出願の先着順に入学を認める学校もあれば、大学入試と同じように学科試験を行う学校もある。
大学と同じように推薦入試、一般入試の区分があるところが多く、AO入試を行うところもある。一般入試といっても、基礎的な学力試験や、面接、作文などを行うことが多い。
推薦の出願条件、募集時期なども各学校で差があるので、早めに個別の学校の資料を取り寄せた方がいいだろう。

入試用語解説

受験人口

高校卒業者のうち、大学と短期大学の入学志願者数の合計。文部科学省の学校基本調査速報によれば、2006年度の受験人口は約77.9万人で、2005年度の約79.8万人から2.4%の減少。1992年のピーク時(約121.5万人)から減少し続けている。一方、進学率(高校卒業者のうち、大学・短期大学に進学する人数の割合)は2005年度に50%を超え、2人に1人は大学・短大に進学する時代になっている。大学入試はますます平易になっているといえるだろう。

競争率・倍率

一般に競争率・倍率として使われるのは「実質倍率」で、「受験者数÷合格者数」で算出される。志願者数が確定した段階で目安として用いられるのが「志願倍率」で、これは「志願者数÷募集人員」で算出される。

定員割れ

大学は、1学年あたりの入学者数を「定員」として文部科学省から認可を受けている。実際の入学者数が定員を大幅に超過していたり、少なすぎる場合には、補助金をカットされるなどの制裁を受けることになる。近年、多くなっているのが、定員を満たすまで入学者を確保できない「定員割れ」の大学。合格者を絞り込んだ結果定員割れになるケースと、志願者数が定員より少ないため、全員合格にしても定員割れになるケースがあるが、問題になっているのは後者だ。授業料収入の減少などにより、大学の経営が行き詰まる危険性もある。

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